過ごしやすい秋が来た。子供も来年の春には大学へ行く予定だし、自分の母もだいぶおばあちゃん、そんな感じになってしまった。
そこで私は考えている。そろそろ、その≪おばあちゃん≫の私の母と同居する、という事をだ。
妻も私の母とはありがたい事に仲良く、程よい距離をとりつつ良き仲を築いてくれている。
子供の方も、おばあちゃんが大好き、そう優しくしてくれていて私も本当に嬉しい限りだ。
早速家族に相談することにした。「母、おばあちゃんとの同居を、お父さんは考えているんだけど、お前たちはどう思うかい?」妻は「あら、私は良いと思いますけれど、家の部屋はどこを使うの?」子供は頷きながら私達の会話を聞いている。
「それはね、リフォームを考えているんだ。」妻「そう、それなら部屋は大丈夫、って事ね?」話に理解がある妻で良かった。
子供も「おばあちゃんも嬉しいんじゃない?私は賛成!」そう話はまとまり、リフォーム同居は私の母の返事待ちになった。
次の日、母と街の喫茶店で会い、話をすることになった。実をいうと母は大切な話を電話やメールですることが嫌いである。
気持ちが素直に伝わらない、そう感じるからだそうだ、僕もそれには賛成である。ニュアンスが上手く伝わりにくいからだ。
時間より早めに着いた、しかし母はもう紅茶を頼み終わり味を楽しんでいた。
母の人を待たせない、その姿勢も僕は好きだ。
「待った?」「さっき来たばかりよ」そう微笑む。僕も同じ紅茶を頼んだ。うん、ここの紅茶は昔から変わらずうまい。
絶妙なうまさである。まあ、それよりも本題を話さねば。
「母さん、実はね、一緒に住まないか?」そう言うと母は心配な顔をし僕に妻と上手くいってないのか聞いてきた。
僕は笑いながら「違うよ、子供も来年大学受かれば家からも卒業だろ、そこで母さんもこれから年を重ねていく、なにかあったらそう考えたら側に居てほしいんだ。」母は「甘えていいのかね。。。」そう目線を落とす。もちろんだ。
「恩返しくらいさせてくれ、家族皆、母さんがいてくれる事を望んでるんだ」母は戸惑ったようだが返事は「父さんも先に天国に行っちゃったから、正直寂しいのはあるのよ、あなた達家族が歓迎してくれるなら、お願いしちゃおうかな。」そう言ってくれるのを待っていた、早速リフォームについて始めなきゃ。
家に着き、早速パソコンで情報を探す。ええっと。。。≪リフォーム 越谷 増築≫っと。。。
おお、役に立ちそうな情報が沢山でるな。その中で気になったのが、変わった名前のリフォーム工事会社である。
もしかして。。費用や条件もなんとなくあうから、その変わった名前の会社に電話してみた。
「もしもし~」やはり。この声は、幼馴染の声だ。大学で別々になってから音信不通になっていた、懐かしいその声につい下の名前で「よう!」話してしまった(笑)
向こうも気づいて「おお!久しぶりだな!」そう言い雑談開始である(笑)5分程雑談を楽しみ本題へ入る。
「母さんも住めるように増築したいんだ」幼馴染は「任せろや!」その言葉に頼ることにした。
リフォームは1週間後に始まった。子供もうるさいなど文句言わず、おばあちゃんの部屋は~とはしゃいでいた、なにより建築の道に進みたいと考えているから逆に勉強になったらしい、幼馴染にあれこれ聞いていた。
完成し後は母の引っ越しまちである。きっと気に入るであろう、母を迎える生活が待ち遠しい。きっと、気に入るだろう。