No.24 2度目の引越、荷物の梱包

私にとっては2度目の引越だった。今の会社に就職してからの転勤の数だ。特に転勤を望んだわけではないのに、新店舗オープンとなると声がかかる。現地で人を育てて任せられると判断されたら、私はその頃オープンする別の店舗に転勤というわけだ。独身で動かしやすいからだろうと周りは言うし、自分でもそう考えていた。「あいつは人を育てることが出来る」と上司が見込んでいてくれていたことは、その時は知らなかった。

前回の転勤の時に使用したダンボールやガムテープなんかは、残しておいたからそのまま使えばよかった。食事は外食かテイクアウトの弁当だから食器があるわけでもない。コーヒーメーカーやマグカップがいくつかあるだけだ。音楽は好きだがCDを買ってまで聴くことはない。衣類に情熱を注いでいるわけでもないから片付けるのはわけはなかった。

問題は本だった。リユースで購入した文庫本が山のようにあるのだ。インターネットがあれば生きていけると自負する自分だけれど、本だけはいつの間にかたまってしまう。電子書籍という手もあったが、ページを1枚1枚めくって読んでいく醍醐味は紙の本ならではのものだ。休日にグズグズとベッドの中で本を広げながらコーヒーが落ちるのを待つ、それが自分にとって最大の至福の時だった。

いつの間にかたまったとはいえ、これらの本を処分するには忍びない。読んでしまったものはともかく、未読のものはなおさらだ。それで近くのスーパーからダンボールをいくつかもらってきて梱包することにした。この先も転勤があるなら、本漁りも適当なところで打ち止めにしておいた方がいい。新刊を買うことは前回の転勤時に止めたのだが、手元に残しておきたい本以外は読み終わったらすぐにリユースショップに持ち込むことにしよう。文庫本をダンボールに詰めながら、改めてそう心に決めた2度目の転勤だった

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